ファスティングトレーナー断食メガネ田中のTUKURU BLOG
2017年12月06日 栄養学・分子栄養学

スポーツパフォーマンスを高める栄養素ナイアシン(B3)を血液データから見る。

workout

アスリートにとってエネルギー産生(ATP)、細胞の成長・代謝、カラダ作りに大きく関わるミトコンドリアの働きはとても重要であり、そのミトコンドリアにおいてナイアシン(ビタミンB3)は大切な役割を担っており、乳酸の代謝にも深く関わっている大切な栄養素となります。

アスリートのナイアシン不足はミトコンドリアの働きが低下しATP不足となる事で代謝が落ち、パフォーマンス低下や回復力低下に繋がります。

ナイアシンは成長ホルモンの分泌促進や(※1)、骨関節炎の抑制効果(※2)もある事から健康とパフォーマンスを維持するうえで、絶対に不足してはならない栄養素と言えます。

 

疲労が残っているとパフォーマンスが低下し、慢性疲労が慢性炎症の原因となり、筋炎症、硬直、肉離れ、疲労骨折、靱帯損傷など大怪我に繋がっていき、炎症、ストレスが増えると体内で合成されるナイアシン量も低下してしまいます。

アスリートにとってリカバリーを大切にする事は『成長』か『故障』の分かれ道といっても過言ではありません。

 

今回は乳酸代謝、抗炎症、成長ホルモン分泌などアスリートにとって重要な栄養素『ナイアシン(ビタミンB3)』の状態を血液検査データから知るポイントを説明致します。

 

LDHと乳酸

これまで乳酸は無酸素条件下で生じる疲労物質と考えられていましたが、最近の研究では、無酸素条件下での疲労物質では無く糖の利用が増える事で生じる代謝物となっています。

乳酸の代謝には乳酸脱水素酵素(Lactate dehydrogenase:LDH)という酵素が働く事で、解糖系で生じたピルビン酸を乳酸に代謝したり、反対に乳酸をピルビン酸へ代謝する働きがあります。

 

筋肉内で発生した乳酸は

①LDHによって再びピルビン酸に代謝される経路
②血流にのって肝臓に入り、肝臓のコリ回路で糖新生によってピルビン酸に代謝され、再びグルコースに代謝され、エネルギーとして再利用される経路

があります。(肝臓以外の細胞ではグルコース-6-ホスファターゼが存在しない事から乳酸をグルコースに変換する事はできません。)

乳酸は再びピルビン酸に代謝され、ミトコンドリアのクエン酸回路に入りエネルギーに変わる事から、これまで考えられてきた疲労物質では無く、エネルギー物質と言われるようになりました。

乳酸を代謝するにはLDH(乳酸脱水素酵素)が必要ですが、そのLDHの働きには補酵素としてナイアシンが必要となります。

つまり、ナイアシンが不足するとLDHの働きが低下し、ATPの生産効率の低下へと繋がっていきます。

LDH-3

 

ナイアシンはミトコンドリアがATPを作り出すTCA回路(クエン酸回路)においても重要な栄養素であり、ナイアシンが不足する事でミトコンドリアの働きが低下し、ATP不足となり、カラダ全体の代謝低下へと繋がります。

ちなみに、乳酸はグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)など糖代謝の際に発生しますが、フルクトースはグルコースに比べ代謝が速く、すぐにエネルギーになる事からグルコースの代謝時より乳酸を増やします。

ジュースやスポーツ飲料などに含まれる『果糖液糖』『果糖ブドウ糖液糖』はフルクトースが多い事で乳酸の蓄積へと繋がり、ナイアシンやその他ビタミンB群の浪費、パフォーマンス・疲労回復の低下を招きます。

 

血液検査データから見るナイアシンの状態

分子栄養学では血液検査データによってナイアシンの状態を深読みする事ができます。

その項目が『LDH(LD)』と書かれた項目です。

LDHは補酵素としてナイアシン(ビタミンB3)が関わっており、LDHの数字が低い場合はナイアシン不足を疑います。

通常、180U/L前後が理想とされ、180以下の場合はナイアシン不足、200以上の場合は、肝炎、脂肪肝、肝硬変、心筋、骨格筋などの損傷を疑います。
ハードな運動後も下記の結果のように上昇する事から、CK(CPK)と併せて確認する事で、トレーニングによる上昇か、その他の要因による上昇かを判断します。

血液検査データから見るナイアシンの状態

 

ナイアシンが不足する原因

ナイアシンを補酵素とする酵素は500種類以上あり、糖、脂質からエネルギーを作り出す時や、アルコールの分解など体内で働く酵素の20%も占めており、他に抗酸化作用がある事から、グルタチオンの活性化にも関わっています。
(グルタチオンは活性酸素であるヒドロキシラジカルの処理、シミを作るメラノサイトの活性抑制、有害物質の解毒などに働く抗酸化物質)

ナイアシンは脳においても重要な働きがあり、鬱や統合失調症とも関わりが深い事から、低ナイアシンは集中力、判断力の低下を招く事になります。

糖質、脂質過多、アルコールの常飲、活性酸素が多い生活を送っていると様々な場所でナイアシンが浪費される事でどんどん不足していきます。

 

体内で合成されるナイアシン

ナイアシンは体内でトリプトファンから合成されます。

トリプトファンはセロトニンの材料として知られていますが、実際セロトニンに変換されるのは5%前後であり、その多くはキヌレニン経路に入り、キノリン酸⇒ナイアシンへと代謝されます。

LDH-1

 

ところが、炎症、ストレス、ビタミンB6不足などによりキヌレニン経路の途中で代謝が止まり、ナイアシン合成が低下してしまいます。

ナイアシンへの代謝が低下すると、キノリン酸が増えキノリン酸が交感神経を刺激する事で、集中力やパフォーマンスの低下へと繋がります。
無性にイライラして集中できないあの感じです。

LDH-2

 

ビタミンB6が不足する原因として、腸内の炎症、動物性たんぱく質の過剰摂取、脂質、アルコール過多などがあります。

ビタミンB6はたんぱく質代謝に重要な栄養素であり、筋肉の合成、脳での神経伝達物質の代謝、脂質の抗酸化、ヘモグロビンの合成、老廃物の解毒など様々な働きに関与しておりアスリートにとって必要不可欠な栄養要素といえます。

極端なビタミンB6不足は脳の働きが低下する事で、パニック障害のリスクが増えという報告(※3)もあり、ナイアシンとビタミンB6は不足しないよう、注意が必要と言えます。

 

ナイアシン不足によるセロトニンの減少

アスリートにとって、脳の働き、つまり神経伝達物質の働きはとても大切であり、自律神経のコントロールが乱れるとどんどんパフォーマンスが落ちていきます。

副交感神経を司るセロトニンはドーパミン、ノルアドレナリンなど交感神経を刺激する脳内伝達物質のコントロールを行いますが、セロトニン分泌においてもナイアシンが大きく関わっています。

ナイアシンとセロトニンは体内でトリプトファンというアミノ酸から作られますが、糖質、脂質、アルコール、活性酸素過多などによりナイアシンが不足するとトリプトファンからセロトニンへの合成を減らし、ナイアシン合成を増やします。

 

ただでさえセロトニン経路は5%前後と少ないのに、さらに減少する事でセロトニンが減り、自律神経のコントロールに乱れが出てきてパフォーマンスの低下に繋がって行くのです。

ここにVB6不足、炎症が重なるとセロトニンが減ってているにも関わらずキノリン酸が増え交感神経過剰となり、感情のコントロールが難しくなっていきます。

プレー中にミスをして八つ当たりが増えると要注意ですので、ナイアシンとビタミンB6、亜鉛、ローヤルゼリーを補って下さい。

 

まとめ

ナイアシンはミトコンドリア、細胞の成長促進、体内酵素、抗酸化、自律神経のコントロールなど多岐に関わっている栄養素ですので、食事からの摂取はもちろん、浪費させない生活習慣、体内での合成促進を意識する事でスポーツパフォーマンスが大きく変わってきます。

もし乳酸代謝が悪く筋肉が硬かったり、パフォーマンス低下など気になる際は血液検査のLDHの項目をチェックし、数値に問題があれば、食生活の改善に取り組んでみて下さい。

睡眠前にナイアシンとオメガ3を摂取する事で睡眠時の細胞成長の促進が期待できるので、不足が気になる場合はぜひ補充する事をオススメ致します。

 

※1:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14609312
※2:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8841834
※3:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23603926

 

 

 

断食41日間実践!!
ファスティング・断食・筋トレ・食育の専門家
断食メガネ  田中裕規  拝
(プロフェッショナル・ファスティングマイスター:1級断食指導士/酵素栄養学協会・認定酵素栄養学指導士)
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